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スーパーカブ110(JA07)/腰上メンテ

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先日購入し、DX化したJA07のエンジン(腰上)を点検するため分解してみました。


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基本的な構造はプレス構造の鉄カブ(またはキャブレター)時代とほぼ変わりがないため、違和感なく作業が進みます。



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サービスマニュアルには、燃料ポンプのコネクターを外し、バッテリの-極を外す~と記載がありましたので、そのようにしてみました。
※結果的にこの作業は不要でしたが、恐らく分解中にメインキーをONにしてしまった場合、ガソリンが噴き出し火災となる可能性がある事から、念には念を入れたマニュアル表記なのだと思います。



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ヘッド周りをクリアにしました。
キャブレター時代と違うのは、センサー類が多いので気を遣うことくらいでしょうか。



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あらかじめエンジンオイルを抜きます。
先日クラッチを交換(遠心&チェンジの両方)したので、走行距離200km程度にも関わらずかなり汚れていました。



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タペットカバーを外します。
ローラーロッカアームが見えます。鉄カブ時代と違い結構メカメカしい構成です。
タペット調整の際はここまで外さなければならないので、結構手間ではありますが、カバー全体が外れるのでシックネスゲージは入れやすく、感覚はつかみやすいと思います。




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タペットカバーのノックピンが入る部分からカムシャフト循環用のオイル孔まで詰りが無いか確認します。
異常なしでした。この後洗油でキレイにしました。



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カムシャフトを摘出、カム山の摩耗もなく、ベアリングもガタつきが無く再利用可能です。
このあたりはローラーロッカアーム構造が効いているのかなと感じます。



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燃焼室の状態、5万kmオーバーにしてはカーボン蓄積も少なく、燃焼状態は良好です。
この後、ケミカルで燃焼室とマニホールド内のカーボンを落とし、バルブ擦り合わせを行っております。
※スパークプラグは電極が丸まっていたので直前に新品交換したものです。



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バルブ周りのパーツを外したところ、
傘部やステムへのカーボン付着も極少でした。ローラーロッカーアームのアタリ面も綺麗でスムーズに回ります。




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シリンダーを抜き取ります。
割とキレイな状態のピストンが出てきました。
この後、クランクシャフトのガタを点検したところ問題無しだったので、ひとまずホッとしました。いきなり腰下まで分解だと結構ヘビーなので良かったです(^^;)



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摘出したピストン
これは排気側ですが、アタリ面に縦キズがあります。ピストン自体も摩耗が見られます。走行距離(5万2千km)を考えると妥当なところではないでしょうか。
ピストンリングは全て正常に機能しており、圧縮抜けやオイル上がりの痕跡もみられず、再利用可能な状態でした。


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ピストン裏側も綺麗な状態で、オイル孔は正常に機能、焼け過ぎた跡も無く想定内の燃焼状態を保っていたようです。


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シリンダー内壁
排気側に爪で感じる程度の縦スジがあり、クロスハッチは消失していました。
吸気側にも縦スジはありましたが、排気側からすると少な目でした。


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今回は自家製ホーニングを試してみたく、こんなものを購入
ブレーキシリンダーホーニング(32~89mm) お値段は1千円程度!

これでシリンダー内壁に消失してしまったクロスハッチを再現させようとする狙いです。



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ドリルに装着し、早速シリンダーに挿入
※シリンダー内にはエンジンオイルを塗布、砥石もしばらくオイル漬けにしておき、不要なキズが付かないようにしました。
ドリルの回転速度に指定があるので注意です。(遅すぎてもスジが付かないし、速すぎてもキズが深まる)
なるべく斜めにスジがついてクロスハッチ状になるよう、引き上げながらと、押し下げながらで作業しました。


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デフォルトのクロスハッチのように斜めにクロスした綺麗なクロスハッチとはなりませんでしたが、ある程度オイルが付着できる溝はつけることができました。
これが吉と出るか凶と出るか次回バラした時に判断したいと思います。(一番良いのはシリンダー交換ですが、今回はお手軽再利用の検証をしたかったのです)



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分解は続き、フライホイールを外します。
プーラーが無かったので新たに購入しました、これはデイトナ製のハンドル付きのもの。他メーカーでも「M28×P1.0 メネジ」の表記があればOKです。
お値段は1,500円。ただし、開度の大きめ(35ミリあります)のモンキーレンチ等が無いと押さえられませんのでご注意下さい。



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カムチェンの駆動周りが見えてきました。
オイルポンプのスプロケット(正式には:カムチェンガイド・スプロケット)は摩耗も少なく再利用可能でした。
余談ですが、最新のJA44型だとこのスプロケはなく、クランクから直接オイルポンプ側のギア駆動に変更されています。エンジンは日々進化を遂げていると感じます。



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カムチェンテンショナーのローラの摩耗状況(右が新品)
全体的な摩耗と、山の片減りが見られます。



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カムチェンテンショナーのプッシュロッドヘッドゴムの摩耗
鉄カブ時代から、どうしてもここは溝状に摩耗してしまいます。定期交換パーツ扱いという事なのでしょうか、確かに交換自体は容易なのですが…。


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テンショナースプリングは新品と比べても自由長に変化がなく再利用可能でしたが、パーツは見込みで発注していましたので交換しました。



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カムチェンテンショナ・ロッド
オイル汚れのような引っかかりがありましたので、ピカールで研磨してキレイにしました。



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タイミングチェンは僅かですが伸びておりましたので、念のため交換しました。



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チェン周りを組み付けた状態です。
ここだけを見ると鉄カブ時代と同じ構成であり、カブのDNAを色濃く継承していると感じます。



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ピストンは3,000円だったので新品にしました。5万kmおつかれさまでした。
リングセットも同様に新品交換です。



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ピストンピンも交換しました。
それほど摩耗している訳ではありませんが、それなりにキズはあります。不要なチカラが作用した痕跡です。
このあたりのパーツは馴染みというか、ピストンが新品ならそれに合わせてセット交換がベターと思います。



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シリンダーと組み合わせます。
ピストンリングコンプレッサー(赤い帯状の工具)があったので使用したところ、すんなりと入りました。
これはストレートさんで買ったのですが、値段(500円程度)の割には優れモノです(^^)
ちょうどカブ110のピストンにピッタリな50mmがあります。



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カムチェンガイドローラの新旧比較です。シリンダー側壁のボルトでとまっているアレですね。


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タテにしたところ。こちらはかなり摩耗していたのが分かります。



ここからは急ぎ足で組み立てたので写真があまりありません。



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バルブスプリング
規定長は分かりませんでしたが、インナー・アウターともに短くなっていました。
当初のJA07はバルブスプリングは1巻きのみでした、インナー・アウターの2巻き仕様なのは対策品となります。
※パーツリスト、サービスマニュアル共に初版は1巻き仕様が記載されております。



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今回交換した主なパーツ群
これらを交換したからと言って劇的な変化が体感できる訳ではありませんが、次の5万kmを安心して乗るためにはこのタイミングで交換するのがベターと判断しました。
そして確実に消耗度合いはキャブレター時代より少なくなっていると感じます。※特にカム周りはローラーロッカアームが効いていると思います。



補器類・センサー類を取り付け、ドキドキの始動の瞬間!

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セル一発であっけなく目覚め、即座に慎ましいアイドリング音を奏で始めました。
やっぱりFIはイイな…と感じる瞬間でした。セルやキックは一発始動が理想ですネ(^^)



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さて、試走行を…(ボディパネルが無いのはクリア塗装中のためです)
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オイル漏れもなく、正常に組み付けができてホッとしました(^^)

慣らし状態ではありますが、10%勾配もさほどの負荷も感じなく駆け上がる(この時、ギアは3速:50~60km/h)、カブ110の潜在能力はかなり高いと感じます。




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100km走行後、帰ってすぐにオイル交換、
だいぶ汚れていました。最初に入れたオイルは「Gulfブレイズ」10W-40、鉱物油100%ながらJASO:MAです。
カブのような旧式のエンジンにはシール部への攻撃性が少なく、マッチングは良いと思います。
※ただし、適合として「125~400㏄までのスポーツバイク」及び四輪(低年式車、旧車、輸入車)とありますので、カブ110には排気量の面でややNGではありますのであくまで自己責任で。
入れた感じは鉱物油らしく、安定感のあるまったりとした回り方が身上で、100%化学合成油のようなシャープな吹け上がりは期待できません。「ホンダ ウルトラG1」や「ヤマルーブ スタンダードプラス 10W-40」より安価で同等性能であるため、空冷エンジンのセロー225をメインに数年前から使用しております。

なお、交換後のオイルはワコーズ「プロステージS」10W-40を入れてみました。




今回、スーパーカブ110の腰上をメンテして思ったことは、旧世代のカブチューナー達の考える理想的なチューンナップをメーカーが実現してくれたのだなと言う事です。
プライベーターではオフセットクランクやローラロッカアームといったエンジンの根幹に関わる機構の変更はまず無理ですからネ。ピストンに関しても従前のノーマルとは違った垢ぬけた形状をしています。各部の精度も高く、エンジンマネジメントはCPUが各センサーからの情報を的確に判断し最良の燃焼状態を実現するといった、出力向上と品質向上を高次元で融合させた究極の心臓部と言えます。

…ただ、今まで乗って思うのは、110であればもっとトルクがあっても…、もっと突き抜けるような回り方をしても…、という事です。
アイドリング音を聞いていても、どこか無理に抑えているようなフン詰まりの音がします。吸気側か排気側か…(おそらく両方だとは思いますが)
この抑えられた部分を解放することでスムーズな吸排気の流れとなり、無理なく本来の性能を発揮できるとしたら…その方が良いのではないかと感じます。
セロー225の場合もそうでしたが、あえて出力を抑える方向で年々デチューンを繰り返していた事実があります。

今後、手を加えるのであれば、現在の静かで振動の少ないジェントルさは維持したいので、マフラー交換は考えておりません。(もし換える場合でも音量は同等なもの)
あくまで毎日の通勤にも使える全天候型街乗り&ツーリング対応の「大人の万能バイク」を目指して検討をしたいと思います(^^)






by love_cub | 2019-10-18 00:35 | カブメンテ | Comments(2)