セロー225のエンジン組立、腰上編です。
今回、シリンダー&ピストンのタテ傷が激しかったので、シリンダーにおいては内燃機屋さんへボーリングに出すことにし、摩耗損傷の激しかったピストンは交換となりました。 さて、ボーリングにあたり、何㎜アップに留めるか悩みました。また、この際パワーアップも兼ねて、1~2㎜の大幅な拡大も考えました。 実際、アフターパーツでのオーバーサイズピストンは最大で2.0㎜アップまで用意されています。 セロー225の純正ボア径は70㎜、これにストローク58㎜で ≒223.2㏄ 1㎜アップで 71㎜×58㎜ ≒229.6㏄(+6.4㏄) 2㎜アップで 72㎜×58㎜ ≒236.1㏄(+12.9㏄) 2㎜アップすると相当パワフルなエンジンになるという結果が多くのセロー職人さんたちにより報告されており、セローにおける定番のチューンアップメニューにもなっております。 しかし…それだけボア拡大するとシリンダースリーブの残厚が気になります。 元々XT200(XT125とも)をベースにボアアップをしたエンジンは、既に223㏄で限界とされています。 ただでさえ薄いスリーブを更に削ってパワーを絞り出すのは両刃の剣とも言えます。 しかし今回は、ある程度ボアアップしないとシリンダー壁のキズは消えない…。 …悩んでも仕方ないので、内燃機屋さん(今回、「iB」こと、井上ボーリングさんに依頼しました)にてキズを計測してもらい、適正ボアアップサイズを決めることに。 シリンダーを送り、内燃機屋さんより「何㎜アップでボーリングしましょうか?」との連絡がありました。 こちらとしては最小限のボアアップに留めたい事を伝えると、 「0.25㎜でギリギリ消えるかどうかというところですね、0.5㎜なら大丈夫でしょう」との返答でした。 私「では、0.5㎜でお願いします」とオーダー。更にピストンはT.K.R.J.さん(以前にC90改さんに教えて頂きました)のキットを使用予定である事を伝え、クリアランスについてお任せしました。 今回、少しでも長持ちするようにと、WPC+MOS2処理を施しました(ピストン、ピン、各リングで8千円くらい)。鉛のような鈍い色目と、しっとりとした感触が特徴です。 ※WPC処理についてはオイル管理をしっかりしていればオーバークオリティとの意見もあるかもしれません。また、この処理をしたからといって焼付き等が起こらない訳ではありません。今回は0.5㎜と言えどオーバーサイズのボアを選択したことによる様々な影響を考慮しての選択であります。 間違い無いはずなのですが、念のためノギスをあてて計測、70.5㎜の仕上がりです(^^) 今回のボアアップによる排気量の増加は以下のとおり。 ※0.5㎜アップ:70.5㎜×58㎜ ≒226.4㏄(+3.0㏄) 当時はヤマハ純正パーツとして、0.25㎜刻みで最大1.0㎜のオーバーサイズピストンがありました。(サービスマニュアルに記載あり) 私としてはメーカーが想定するボアアップの最大値が1.0㎜と解釈し、今後のO/H(腰上までならやっても良いかな…)における再ボーリングの余地を残し、最小限のボアアップとしました。 ※最近セローの記事ばかりでスミマセン(^^;) にほんブログ村
by love_cub
| 2016-07-15 06:00
| セロー225
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