当カブの会、会長cubmoですが、最近カブ70の魅力に気付いてしまいました。
スーパーカブの現在のラインナップは50と110のみ、 50は当初からあるメインの排気量、 110は90の正常進化版と言えます。 では70は? 長らく 50、70、90 のラインナップは定番となっていたはずですが、いつの頃からか途絶えてしまいました。 今回はスーパーカブのミドルクラス、70㏄系にスポットを当て、ちょっと時代をさかのぼってみます。 55年の歴史を持つスーパーカブには、多くのバリエーション、派生モデルが存在します。 それらを強引に排気量で大別すると、 ・50系(原付一種) →C100 ~C50 ~AA01 ~AA04 ・70(55,65)系(原付二種) →C105 ~C65 ~C70 ・90(100)系(原付二種) →CM90,C90、CM91 ~C90 ~HA02 ~JA07 ~JA10 とすることができると思います。 51㏄以上は全て原付二種じゃん! と言ってしまえばそれまでなのですが、排気量だけで語れないのがスーパーカブの魅力のひとつでもあります。(^^) それぞれの排気量が誕生した原点を調べてみました。 '58 スーパーカブC100(49㏄)・・・50系 '61 スーパーカブC105(54㏄)・・・55、65、70系 '64 カブ CM90(86㏄)・・・90、100系 年代と共により大きな排気量が求められるようになったようです。 '58 スーパーカブC100 の誕生 スーパーカブが誕生したのは今から55年前、C100型('58)でした。 「原付=2サイクル」 が当たり前とされていた当時、クリーンな4サイクルと革新的な技術を引っ提げての登場でした。 当初は原付一種となる49㏄単一車種の投入でした。 '61 スーパーカブC105 ※画像はセル付きのCD105 余裕ある走り、2人乗りのニーズなどに応えて販売されたのがボアアップ版となる C105(54㏄)でした。 初の原付二種車両、これが70㏄系の元祖と言って良いと思います。 '64 カブCM90 更なる車格と出力の向上を実現させたのが専用設計となるCM90(86㏄)です。 ボアだけでなくストロークもアップさせたエンジンが与えられ、専用ボディは一回り大きく、タンク容量やタイヤサイズもアップされ、従来のモデルとの差別化が図られました。 これが後に90系統の元になります。 注目なのは、このCM90が前出のC105の後継モデルではなく、同じ年に70系統であるC105もアップデートされていることです。 '64('65とも) スーパーカブC65 CM90デビューの同年、間髪を入れずにアップデートされたのがC105の後継となる C65(63㏄)でした。 OHV→OHC化されたエンジンは引き続きC100系のボディに載せられるよう設計され、C100系では唯一のOHC搭載モデルとして半年間(1年間とも)のみ販売されました。 この年から50㏄、65㏄、90㏄と、それぞれ特性の違うカブの棲み分けがなされるようになります。 '66 全車OHCエンジンへ 車種構成: C50、C65、C90 C100型のボディから第二世代のボディへ移行。 '69 行灯(あんどん)カブ 車種構成: C50、C70、C90 行灯カブとなり、C65(63㏄)→ C70(72㏄)へ排気量が拡大される。 '80 C90が新設計エンジンに ※カモメの最終型 車種構成: C50、C70、C90 それまで専用設計だったC90のエンジンがC70ベースに開発、 89㏄ →85㏄となる。 '81 全車種共通ボディへ 車種構成: C50、C70、C90 この時からボディ、エンジンとも互換性を持つ見慣れたカタチへ。 この後2007年まで基本設計に変更は無い。 '98 C70最終モデル 車種構成: C50、C70、C90 カブ70の最終型、フロントブレーキがビッグドラム、ガード付きマフラー。見つけたら即買いでしょう。(^^) 99年まで販売されていたようです。 '00 C70の廃止 ※画像はC90 車種構成:C50、C90 排ガス規制対策をされて登場したC50、C90に対し、C70がラインナップに加わることは無く、ミドルレンジを牽引した38年間に静かに幕を下ろしました。 また、この頃になるとカブ90と70の明解な違いはほとんどなく、「同じ原付二種を買うなら90の方が・・・」というユーザーの方が多かったのかもしれません。 価格的にも ・スーパーカブ70DX(6.0ps) 170,000円 ・スーパーカブ90DX(7.0ps) 177,000円 と、僅か7千円の差でした。 おそらく多くの方は少しでもパワーがあると言う事で買い得感の高い90を選んだのではないでしょうか。 ※私もその一人です。(^^;) また、販売台数が縮小していた90年代後半、ホンダの屋台骨と言えど全ての車種に排ガス対策を施す余裕は無かったのかも知れません。 カブ70の乗り味とは? 当初、専用のボディを与えられた90系統に対し、70系統のC105やC65は、50㏄の車体と共通で排気量だけを強化した純正ボアアップモデルでした。 それが時代の変化とともに共通ボディとなり、排気量だけの差となった50、70、90の各車に、乗り味の違いはあったのでしょうか。 ボア×ストローク等を見てみると、 50 39×41.4 49㏄ →1.00倍 70 47×41.4 72㏄ →1.47倍 90 47×49.5 85㏄ →1.73倍 70と言えど50の約1.5倍の排気量です、クルマだったら2,000㏄と3,000㏄の差! そして、注目なのは70は50の純粋なボアアップ版で、90は70の更にストロークアップ版と言う事が分かります。 馬力を比較すると、 50 4.5ps →1.00倍 70 6.0ps →1.33倍 90 7.0ps →1.56倍 と、こちらも結構な開きがあります。 実際に乗り比べると、乗り味には数値以上の違いがあります。 ロングストロークの90は力強い走りをする反面、振動が大きく荒々しいフィーリングでも知られています。 反面、ショートストロークとなる70は振動が少なめで回転も滑らかで上まで自然に回る印象があります。 この差は結構大きく、90で一日走っていると手足がかなり痺れるだけでなく、“グワワーーン”と唸るような回転フィールに感覚的にも疲れてきます。(^^;) 50のままでは動力的に乏しいが、88㏄以上だと各部の強化が必要になり、ボアアップだけでは回せない。 ならば純正採用で信頼性のある72㏄あたりが・・・、というのは自然な流れなのかもしれません。 多くのカブ乗りに70~80㏄付近の排気量が好まれるのは、単に馬力の有る無しよりも、フィーリングや振動の少なさによるものだと思います。 ゆえにボアアップキットを出している社外メーカーとしても必ずラインナップしている排気量なのだと思います。 会長のcubmoも最近買ったカブ70を、「ツーリングに行くならこれで充分。いや、かえってこの方が良い」と言うほど惚れこんでいます。 50の上位車種としてではなく、少しのパワーアップと原付二種という特徴が必要とされた時代に誕生したC70系。 ※C65に至ってはOHCの先行搭載車として、コケられない50に代わって試験的車両として投入されたという説もあります。 その存在意義は確固たるものだったはずですが、時代の流れでしょうか、私たちが豊かさを求めすぎた結果なのかもしれません。もっと早く気付いてあげることができれば・・・。(^^;) 今回はメンバーの中でブームとなっているカブ70について掘り下げてみました。 最終型の70、ちょっと欲しくなったな~(^^) ↓役に立った時だけお願いします。 にほんブログ村
by love_cub
| 2013-12-15 20:44
| カブ
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Comments(18)
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tassa@会津藩
at 2013-12-15 02:44
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ハッハッハ( ̄▽ ̄)
とうとう70の魔力に取り憑かれましたね(笑) オレが70カスタムを4速化したのは、底無しに回るエンジンをいつか壊しそうで不安だったのをわかってもらえそうですね(^◇^;) 単純に速く快適なカブなら90でも110でも良いのでしょうが、オレは今後も70を乗り続けますよ(^∇^)
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百豚
at 2013-12-15 07:24
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おはようございます、こちらは雪の朝です。おらいの平成5年型丸目カブ70に、そんな歴史があったとは…。縁あって譲り受け、足代わりに乗りまくってたら、いつの間にやらカブ中毒に…。カブって怖いもんですね~。
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love_cub at 2013-12-15 09:12
>tassa@会津藩さんおはようございます、
嬉しそうなコメントが・・・、会長コメントを・・・。 この件に関しては70にこだわるtassaさんに先見の明ありですね、感服いたしました。(^^) 90ベースのエンジンより伸びるんですよね、最高速に関しては明らかに上回ります。 でもせっかくお金掛けて105のフルキットにしても80ライトチューンのほうが速いと言う矛盾。(^^;)
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love_cub at 2013-12-15 09:21
>百豚さんおはようございます、
私も昨晩雪かきでした、20㎝くらい積もりました。(^^) 平成5年式と言うとかなり後期型ですね、'90年代のパーツはまだまだ大丈夫ですので、長く楽しめそうですね。 カブは知るたびにハマっていきますよね。(^^)
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sirocub110
at 2013-12-15 10:08
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love_cubさんこんにちは~
毎回 勉強になります(笑 カブの歴史によると 私が初めて乗ったのが 1972年頃のあんどんカブ セル付 C70ですね 中学3年でした(汗 父親は無類のバイク・車好きで昭和30年ころにメグロのT1(650) カワサキW1の原型です 観音開きクラウン1900DXやら 日本で初めての市販DOHC ホンダのT360(配達用 トヨタ1600GT4などでジムカーナなどやってました(笑 T360はオーバーフローからガソリンに引火して燃えたようです(爆 その父がカブの70を買ったのは先見の明ありですね・・・・
おはようございます、私も色々なカブを持ってますが、やはり70カブが乗っていて一番楽しいと思います。70オンリーツーリングでも企画しますか?
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love_cub at 2013-12-15 12:18
>sirocub110さんいつもどうもです、(^^)
随分とバイク・クルマに恵まれた環境でお過ごしだったようですね、ホンダのDOHC軽トラ、T360って言うんですか、今ではコレクションホールでしか見ることができません。 あんどんカブの頃はまだ90との区分けがはっきりしていましたので、70の方が好みだった訳ですね。お父様さすがです。
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love_cub at 2013-12-15 12:28
>須賀川カブ主会、会長の矢吹さんコメント光栄です。
当方の会長cubmoが70を購入したのも実は矢吹さんの影響大と見ております。(^^) 70限定ツーですか!ミドルクラスカブ大集合ですね、ナイスな企画、もしかすると日本初? 超楽しそうじゃないですか!(^^) となると・・・私のカブ仕様変更しなければ・・・。(^^;)
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Take
at 2013-12-15 15:51
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カブの歴史がわかる為になる記事でした。
50の腰下に純正70のシリンダーを組んだエンジンがあるのですが、クランクシャフトを強化していじってみるかな(笑
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love_cub at 2013-12-16 06:35
>Takeさんおはようございます、
純正70ボアアップですね、平地メインなら物凄く回るエンジンに仕上げるのも楽しいかもしれませんね。(^^)
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昭和の少年
at 2014-04-02 07:42
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初めまして
私が小さい頃、父が私を乗せ近場にドライブ?に連れ出したカブが、父の職場の70ccカブでした。 他で目にすることのなかった70ccカブ、今更になって気になり検索したところ こちらにたどり着きました。 やはりマイナーな存在だったのですね。 今に思えばクッションのない荷台乗車とはいえ、その乗り心地は決して悪くなかったですね。
>昭和の少年さん初めまして、
70は玄人好みのモデルですね、90年代になるとホンダ自ら差別化が難しくなったのか、排気量以外の違いはありません。 以前からの名残り(カブは70でなきゃならん!と言う固定ファン)で残していたのかもしれませんね。 クッションは空荷だとゴツゴツしますが、子供タンデムだとちょうど良いくらいだと思います。(^^) 良い思い出をお持ちですね、幼少期の記憶って鮮明に覚えているモノですよね。
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関西から
at 2017-11-13 17:08
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最近カブ70を買い、舗装林道トコトコにはまっているのでネットを徘徊しててたどり着きました。何年も前の記事なのが残念で仕方ありません!カブ70限定ツーリングがあったらほんと行きたかった!なんか、関西ではカブ70好きのブログとかあまりないような気もしてます、まだまだ調べが足りないのかもしれませんけど
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774rr
at 2019-12-12 16:57
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素直にカブ90買った方が良いと思います。振動が不快ならばドライブを16tにすれば良いだけのことですし。
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love_cub at 2019-12-14 11:07
>774rrさん、
ご意見ありがとうございます。カブ90良いバイクですよね。
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love_cub at 2019-12-14 11:11
>関西からさん
失礼しました、コメント頂いていたのに見落としておりました。 私も70にこだわって書いている記事はほとんど見たことがございません。90に比べ台数が圧倒的に少ないだけに、レアな存在ですが、線が細い中にも小排気量車の味わいが感じられるよいバイクだと思います。僅かなチューニングでも違いが感じられる素材としても面白いと思います。
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たけちよ
at 2021-11-08 19:01
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love_cub at 2021-11-17 21:16
> たけちよさん
70いいですよね、トルクとパワーのバランスの最適解だと思います。 エンジン回りのパーツはストローク部分を除いては基本的に90準拠(50が特殊?)なので流用可能です。
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