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オリフィス拡大は必要?

以前より作業をしていたカブ50の4速化、エンジンの腰下組み立てがまだ途中でした。
現在これを搭載する車体が無いのも事実ですが、色々とパーツも揃ったので組み上げておくことにしました。


排気量アップに伴い、オイルポンプは若干強化(カブ90同等)型としました。
オリフィス拡大は必要?_a0279883_18302265.jpg

見た目には同じですね、

オリフィス拡大は必要?_a0279883_1830506.jpg

横から見ると厚みが違います、強化型のほうが 1㎜厚かったです。
構造は同じトロコイドポンプ、厚みの違いからカブ50純正と比べ1.3倍程度のアップと思われます。


さて、ここで悩んだのですがオリフィス拡大についてです。
オリフィス拡大は必要?_a0279883_18342522.jpg


ボアアップとセットのように語られるオリフィス拡大ですが、実際のところどうなのでしょう。
加工するとしたら、クランクケースを閉じる前の今しかありません!


カブ系のオイルポンプから吐出されるオイルは、
・ヘッド周り
・クラッチ&クランク周り

の2系統に振り分けれられます。


オリフィスを通るオイルはヘッド周りの潤滑であり、ここで口径を絞る意味は、
①クラッチ系統とのオイル量の配分
②圧力を上げ、ぴゅーっと勢いよく噴出してヘッドまで到達させる
ためかと思います。 ※あくまで私の推測です(^^;)

ノーマルの状態においては、「ヘッド系統クラッチ&クランク系統」 双方のオイル量バランスは保たれていると考えます。


これをオイルポンプの容量を増やした(仮に1.3倍)場合、
・ヘッド周り →変化なし or 微増(圧力アップによる)
・クラッチ&クランク周り →流入量
と考えられ、どちらの系統へも問題が無いと思います。


次にオリフィスを拡大(0.8 →1.0㎜)した場合、
・ヘッド周り →流入量?、(圧力は低下)
・クラッチ&クランク周り →流入量
となるのではないでしょうか。


オリフィスを 0.8 →1.0㎜にしただけでも面積は 1.56倍となり、これ以上の吐出能力を持つポンプでなければ圧力が低下する事が考えられます。
これが、
1.2㎜なら 2.25倍
1.5㎜なら 3.52倍
2.0㎜なら 6.25倍
という具合で、面積は2乗に比例して大きくなります。

もっとも、圧力が低下してもオリフィス径が大きければ流入量は増え、結果ヘッド側へのオイル流入量は多くなりそうな気はします。


しかし、ここで問題になってくるのは クラッチ&クランク系統への流入量不足です。

クラッチを潤滑したオイルは最終的にクランクシャフトの中を通り、ベアリング付近の孔から排出されます。その際の遠心力でクランクベアリングやシリンダー内へ飛沫潤滑する仕組みとなっています。
こちらの潤滑がおろそかになるのも問題です。クランクベアリングの破損、知人でも何人か見て来ました。


オリフィス拡大は必要?_a0279883_18572684.jpg

ノーマルのオリフィス径は 0.8㎜ぐらいでしょうか、
最近見たカブ90のオリフィス径も50用と見た目は変わらない程度でした。(オイルポンプの容量はアップしてあります)
つまり、街乗り程度であれば、オリフィス加工は必要ないと言えるのではないでしょうか。

では、単にオイルポンプだけ強化すれば良いのか?ともなりますが、吐出量が多くなればその分オイルポンプで発生する不要な抵抗が大きくなり、少しでもパワーロスをさせたくないカブチューナーとしては過度の強化ポンプは避けたいところです。


これらの事から、ノーマルベースのボアアップの場合、オイルポンプ&オリフィスはノーマルのままでも良いのかなと思います。

これらの強化が必要になるのは、100㏄を超えるようなヘビーチューンや、社外ヘッドを取り付けたレースなどの高負荷長時間走行が求められる場面だけという事になるでしょうか。


オリフィス径をボアアップ時の定石とされる 2.0㎜とした場合、面積は6.3倍にもなるので、オイルポンプも相応のものを付けないとクラッチ&クランク側の油量不足となりそうです。



かく言う私も、以前カブ90に105㏄のキットを組んだ時にはオリフィス拡大をしました。
JUNのキットでしたが、JUNではオリフィスについての公式見解をしておらず、強化オイルポンプの説明書の中では 「必要に応じて ●.●~●.●㎜、 推奨値●.●㎜。 必ずしも必要な作業ではありません。 と述べられていました。

しかしこの時はあまり深く考えていませんで、ボアアップ = オリフィス拡大 という方程式が頭の中で成立しており、推奨値で拡大しておりました。
※拡大すると元に戻すことはできません、クランクケース丸ごと交換になります!

まぁ、これで組んでも普通に走っていますので、影響が出るとすれば、2~3万㎞走った時に分解してどうなのかと言ったところだと思います。


レース前提で、外付けオイルクーラーへ通す量を少しでも増やしたい場合は拡大したほうが良いのかもしれませんが、今回はノーマルのままで行きたいと思います。

私は素人につき詳しい計算はできませんので、ノーマルと同じ組み合わせが確実と思いました。
もし、この組み合わせで何らかの不具合が生じた場合は、その時に必死で検証したいと思います。(^^)


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by love_cub | 2013-12-09 19:01 | カブ | Comments(4)
Commented by 官房長官 at 2013-12-09 20:03 x
お晩です~
私も88ccのエンジンはオリフィスは拡大しておりませんでした^^
エンジンの稼働率が下がって1万km位なので
耐久検証は
まだ、先の話ですね~^^;
Commented by love_cub at 2013-12-10 00:14
>官房長官さんこんばんは、
オリフィス拡大については諸説あるようですが、街乗りメインなら無加工で問題無しと判断しました。(^^)
やっても1㎜くらいかなと考えています。
Commented by Take at 2013-12-11 21:13 x
100EXでもオイルポンプは強化なのにオリフィスは0.8mmみたいです。
オリフィス広げる事によってクランクに行くオイルが少なくなる方が心配なので私も107ccにボアアップしていても広げていません。

耐久性が命の海外でホンダがやっていないので必要ないと思います。
Commented by love_cub at 2013-12-12 07:35
>Takeさんいつもありがとうございます、
カブ100でも0.8㎜だとすると、おそらくカム周りのオイルは極少でも間に合う、逆に考えるとクランク周りのほうが必要ということですよね。
オリフィス一つと言えど実に奥が深いと思いました。(^^)
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